僕とコントラクトブリッジ、日本代表
夢を見た。夢の中の僕はなんだかブリッジがとても上手いようで、U-26の日本代表になるらしかった。
目が覚めた時、とてもいやな気分になった。現実の僕は、あのとき日本代表を目指さなかったことを、後悔したことなどないはずだった。
その夢を見たのは、ブリッジの授業の打ち上げの翌朝だった。TAのような形で一緒に手伝いをしていたメンバーには、同期も先輩も後輩もいたが、僕以外がみな日本代表だった。このことが夢に影響したのは間違いない。
でも、こんな夢を見ちゃあ、まるで僕が彼らを羨んでいるみたいじゃないか。
それからしばらく自分に問いかけ続けた。およそ一年前にした決意を、僕は本当に後悔していないのか。
よく心の中を覗いてみても、実際後悔はしていないようだった。
それでも僕は、どこかで羨ましかったのだということを、この時に初めて自覚した。
練習漬けの生活の中で、あるいは能力不足に直面した瞬間に、ブリッジを好きであり続ける自信がない。二足のわらじが苦手な僕は、院試と研究に専念すべきだ。何度も反芻した、諦める理由だ。他にも多少理由はあるが、それはまあいい。とにかく僕は、日本代表という大きな山に、挑戦することもしなかった。
今考えても、この僕にとって、その選択は正しかった。もし代表を目指していたら、心身ともにボロボロで、ブリッジのことが嫌いになり、当然まともに研究もできず、それでも最後までやり遂げようという気持ちだけで、練習していることだろう。
でももし、この僕ではなく、別の僕――もう少しだけ体力があって、くよくよせず、自分の世界に夢中になれる、そんな僕――がいたら、その僕はきっと代表を必死に目指していたと思う。
僕は、あのときの選択を後悔しない。でも、僕はあのとき、その僕でありたかったのかもしれない。
TAも御役御免となった今、僕は競技プレイヤーであることをやめたばかりでなく、ブリッジ界へのコミットそのものがほとんど停止したと言っていい。それでも僕はこんなふうに、未練の糸を何本か残している。
ゲーム自体は細々続けるとしても、院を卒業するまでに、気持ちの上でけじめはつけておきたい。こうやって内省したり、できる範囲で何かを埋め合わせることで、それが達成されることを願う。